【コラム】 ジョブ・ホッピング

コラム ジョブ・ホッピング
オーストラリアでは、既卒であろうが新卒であろうが、企業が求めるものは同じです。その人が具体的に何ができるか、仕事をやっていく能力があるかが重要になってきます。
これは、オーストラリアでは、新卒、既卒、あるいは年齢などに関係なく、能力次第で仕事を見つけられる平等なチャンスが誰にでもあるということでもあります。
そして、いつから就職活動を始めていつ入社するといったスケジュールは存在せず、自由です。
しかしこの能力主義は、当然ながら厳しい側面を持っています。就職に経験や能力が求められるといっても、誰でも最初は経験がありません。
プロフェッショナルを目指しているのにそれにはプロフェッショナルの経験が必要であるという「鶏と卵」の関係が、最初の就職、あるいは自分にとって新しい分野へのチャレンジという時には付いて回ります。そのため、インターンシップやワーク・エクスペリエンス、ボランティアなど、無給の仕事で経験と実績を積んでからそれを就職活動につないでいくという方法が一般的にとられています。
例えば、最初はパートタイムでスーパーなどの商品陳列などの仕事をし、仕事ぶりが認められて管理業務に移り、徐々に重要な業務を任されていくといったパターンも、オーストラリアでは非常に多いようです。
一見遠回りに見えても、実はそれが一番確実なキャリアアップの道とも言えます。こうしたケースでは、何も1つの企業にずっととどまる必要もありません。ある企業でそこそこの経験を積んだら、その経験を武器に、より条件の良い別の企業に転職します。それを繰り返してキャリアを積んでいくのです。
このように、より高い給与やより高い役職などを意識して転職を繰り返すことを「ジョブ・ホッピング」(Job Hopping)といい、この言葉に対して否定的なイメージの強い日本とは正反対に、オーストラリアでは非常にポジティブなこととしてとらえられています。