シドニー新生活 < 住む >

住居の快適さによって生活の充実度が大きく左右されることは間違いない。住み方も、アパートや一軒家の数人でのシェア、賃貸、住宅購入など、スタイルはさまざま。日本とは違うゴミの捨て方も紹介。

住宅の種類

日本の住宅と比べ、一般的にオーストラリアの家は一部屋の面積が広い。天井も高く、十分な居住空間を確保している。
住宅の種類は、一軒家(House)、フラット(Flat)、ユニット(Unit)、テラス・ハウス(Terraced House)、タウン・ハウス(Town House)、セミデタッチド・ハウス(Semi-Detached House)などに分けられる。日本でいうアパートやマンションに当たるのが、フラットやユニットである。

●一軒家
一軒家には、平屋、2階建て、3階建てなどの種類がある。場所による高低差が大きいシドニーでは、地形や傾斜を生かした設計がされているのが特徴。例えば低い土地の場合、土を入れて平らにした上に家を建てるのではなく、地下室などを造り、その上に階を重ねていくのである。このため3階建てという家も珍しくない。またほとんどの一軒家には芝を植えた庭がある。芝を芝刈り機で刈る作業も、オーストラリア人の典型的なライフ・スタイルの1つになっており、郊外の住宅地などでは、週末になるとあちこちの家から芝刈り機の音が聞こえる。新聞や雑誌には最新型芝刈り機の広告が掲載されていたりする。

●フラット、ユニット
フラットとユニットは、日本で言うアパートやマンションを指す。3〜4階建てのレンガ造りのタイプは、オールダー・スタイル(Old e r S t y le)と呼ばれている。また日本でいう「ワンルーム」タイプの部屋は、スタジオ(Studio)またはバチェラー(Bachelor)と呼ばれる。

●テラス・ハウス
家が3〜4軒、それぞれの壁と壁がくっつき、連なった長屋スタイルの住居を指す。このスタイルは古い建物が多いが、内装は改装(リノベーション)されていることが多く人気が高い。多くのテラス・ハウスは、外観に繊細なレース模様の鉄柵であるアイアン・レースが取り付けられているのが特徴でもある。

●タウン・ハウス
郊外でよく見られる、テラス・ハウスを新しくしたタイプである。小さな庭が各戸に付いていたり、公園やプール、共同の駐車場などがあったりする。

●セミ・デタッチド・ハウス
一軒家が中央で区切られ、左右が独立している住宅である。仕切りの壁は厚めで、防音の程度はフラットと同程度の場合が多い。
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暮らし方の種類

1人でシドニーで暮らすことを考えた場合、その方法は、① 一般家庭に滞在するホーム・ステイ、② 一戸建ての家や1つのユニットやフラットに数人で住み、各人が1人部屋を持つシェア・ハウスのオウン・ルーム、③数人で一戸建てやユニット、フラットなどに住むが、同じ部屋を他の人と一緒に使用するシェア・ハウスのルーム・シェア、④ユニットやフラット(あるいは一軒家)に1人暮らし、と主に4つが挙げられる。
他にも、農業体験をしながら暮らすファーム・ステイもある。これは農場や牧場で農産物の手入れや家畜の世話といった仕事をする代わりに、食事や寝る場所が提供されるものだ。
また、オー・ペアと呼ばれる、ホーム・ステイをしながら家事や子どもの世話を引き受けることで、ホスト・ファミリーから報酬をもらい生活する滞在方法もある。
更に1週間から数カ月程度の短期滞在の場合ならば、他の方法よりもややコストは高めになるが、アパートメント・ホテルもしくはホリデー・アパートメントと呼ばれる、家具やキッチンがついた施設に滞在するのも便利だ。

住まいを探す時の注意点

住まいを探す際に注意する点は、①目的に合った物件を選ぶこと、② 不動産表示について知ること、③賃貸物件の場合は借り時を考えること、の3点が挙げられる。
1番目の目的に合った物件選びを考えた場合、例えば、学生、ワーキング・ホリデー、家族やシニア世代のロング・ステイなど、各人の滞在目的で住む場所の選び方が異なってくる。特に1990年代後半から続いた好景気に、2 0 0 0 年のオリンピック特需も加わり、現在までシドニーの不動産相場は他市と比べても驚くほど高く、香港に次いで世界第2位の高住宅コストの都市である。賃貸住宅の家賃の上昇も続いており、部屋数や地域によるが、1カ月1,000〜3,000ドルの賃料の住宅に住む人がボリューム・ゾーンである。そのような状況なので、無駄にお金を払うことを防ぐためには、どの地域でどの程度の広さの住宅が自分には本当に必要なのか、事前に慎重に検討する必要がある。
2番目の不動産表示だが、日本と異なる点が多々ある。例えば、ユニットやフラットの部屋の数は、日本のアパートでは「2DK」だと2つの部屋とダイニング・キッチン(やや広めのキッチン)という意味だが、シドニーでは部屋数は「ベッド・ルーム数」で表されることが多い。2部屋ある場合は、「2 Bedrooms」などと表示されている。ただキッチンの広さがどの程度なのかは分からない。とても広くてリビングやダイニングを兼ねている場合もあるし、本当にキッチンだけのスペースという場合もある。バスタブ付きはあまりなく、多くがシャワーのみ。逆に駐車場の有無は、路上駐車の可不可を含め、必ずと言って良いほど表示されている。部屋の間取り図は示されていないことが多い。また、インターネットを含め、不動産広告には不動産業者の担当者の顔写真が掲載されているのをよく見掛ける。更に、不動産業者を訪ねた場合、日本だと、店内には店頭にある物件より更に多くの物件があったりするが、シドニーでは店頭に表示されている物件が全て。インターネット上に表示している情報と内容は同じだから、最近ではインターネットを利用して物件を探すのが主流である。
3番目の賃貸物件の借り時だが、シドニーを含めオーストラリアの不動産市場は11月末から翌1月上旬にかけて最もにぎわう。これは1月下旬から2月上旬にかけて学校の新学期が始まるためである。次いで6〜7月も不動産市場がにぎわう時期。これらの時期は物件が多く出る一方で、借り手も急増するから、うまくタイミングを見計らって、早め早めに動くのが良い。
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住まいの見つけ方

●インターネットや新聞のクラシファイド欄
住宅探しの主な方法としては、インターネットと新聞のクラシファイド欄が主流である。新聞では不動産情報は土曜版に掲載されていることが多いが、販売(分譲)物件を中心に扱っている場合が多く、賃貸物件に関しては情報が少なめである。
最も利用されているのはインターネットのクラシファイド・サイトである。自分の住みたい地域名や住居のタイプ、部屋数、家賃などの検索条件を入れると該当する物件の詳細を見ることができる。地域ごとに検索できるので、各地域による相場の違いや物件の違いが分かり便利だ。多くの場合、地域名は「サバーブ(郊外)」名で入力する。シドニーにはどのようなサバーブがあるのか、どの辺りが何というサバーブなのかをあらかじめ調べておいた方が良いだろう。
住宅物件検索に便利なサイトは、
「Domain」(Web:www.domain.com.au)や「Realestate.com.au(Web:www.realestate.com.au)などがある。

●不動産業者
日本同様、各地域にはその地域の物件を扱う不動産業者がある。街中の不動産店の中に入って希望の条件を伝えても良いだろう。また各不動産業者はウェブサイトを開設していて、地区や物件の価格などが検索できるようになっている(上記2つの「Domain」と「Realestate.com.au」は総合不動産情報サイト)。

●学校から斡旋してもらう
留学生の場合、各大学や語学学校が学生向けの物件を斡旋している場合も多いので利用できる。

●「For Rent」や「To Let」の看板を探す
街中で見掛ける「For Rent」や「To Let」の看板。気に入った物件があったら、その物件を扱う不動産業者か所有者に連絡してみよう。

シェア物件の探し方

シェア・ハウス探しには、住みたいエリアのショッピング・センターの掲示板も役に立つ。日本語のシェア情報は、日本食材店の掲示板や本誌発行元「日豪プレス」のウェブサイトのクラシファイド欄(Web: life.nichigopress.jp)を活用しよう。

賃貸物件を借りるまでの手順

①情報収集
シドニーを含むオーストラリアでは、前述したように新聞やインターネットのクラシファイド欄などで物件をチェックするのが一般的。

②下見の予約
気になる物件がある場合は、下見(Inspection、インスペクション)をメールや電話で予約する。下見の時間帯は土曜日の場合が多く、朝10時頃から午後3時頃までに設定されている。ユニットなどの集合住宅は、10〜15分程度、一軒家は30分程度の下見時間が設けられていることが多い。

③物件を見る
下見当日は、該当する物件の前で待つ。担当者がやって来るので、担当者に誘導されて下見を開始する。物件が気に入らなければ、そのまま帰って構わない。また気に入れば、申込書(Application Form)などをもらう。

④契約
契約期間はたいてい6カ月以上となっている。賃料は週単位で表示されている場合が多い。支払い方法は、契約をした不動産エージェントや大家などにもよる。おおむね2週間ごと、または1カ月単位で、銀行振り込みや銀行が発行する小切手による支払い、インターネット・バンキング、直接手渡しなどさまざまな支払い方法がある。
契約時には最初の賃料の他に家賃2〜4週間分程度の保証金、日本で言うところの敷金を支払うのが普通。これをボンド(Bond)と呼んでいる。敷金同様、契約期間が終わり家を出て行く際に、特に問題がなければ返金されるものだ。
契約に必要な書類は、パスポート、ビザ、クレジット・カード、キャッシュ・カード、給与明細、雇用証明書、残高証明など。物件の種類や不動産業者によって異なるので事前に確認しよう。また、連絡先電話番号は必須となる場合が多いので、家探しの前に携帯電話を手に入れておく方が良い。

不動産を購入する

オーストラリアでは現在、不動産購入は長期的に見ると確実性の高い投資だと考えられている。その投資方法はまず、小さな物件を購入し、その金利を払いながら、何度か買い替えたり、物件を増やしたりしている人が少なくない。
永住権または市民権保持者であれば、不動産購入には制限はない。また、条件を満たせば、さまざまな優遇措置が利用できる。
しかし、永住権を持たない外国人(短期滞在の非居住者または長期滞在の居住者)については、投機的な売買を防ぐために、外国投資審議委員会(FIRB: ForeignInvestment Review Board)の認可物件のみ購入できるなど、さまざまな規制が設けられている。
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ゴミの出し方

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各戸、各集合住宅が決められたサイズとデザインのゴミ箱を持つようになっており、地域のカウンシル(市役所)が、だいたい週に1〜2度、ゴミ収集車でゴミを回収する。ゴミ収集の頻度や曜日は地域によって異なる。小さな車輪がついた、がらがらと引っ張れるようになっている大型のゴミ箱は用途に合わせて主に3種類ある。赤いふたは生ゴミを含む一般ゴミ、黄色いふたはリサイクル・ゴミ、緑色のふたは草や泥などと分けられている。シドニー市のウェブサイト(Web: www.cityofsydney.nsw.gov.au)では、ゴミ収集の方法や自分が住む地域のゴミの収集日がいつなのかなどを検索できるようになっている。

●粗大ゴミの回収
住宅地では、粗大ゴミの回収日が近くなると、歩道脇の芝生には、各家から不要品として出されたベッドのマットレス、ソファ、棚、机、イス、ローラー・スケート、ぬいぐるみなど、さまざまな品物がずらりと並ぶ。もし欲しい物があったら、持っていっても良い。わざわざ車でめぼしいものを見つけに回る人や、散歩がてら持って帰る人などがいる。

●洋服など不要品を寄付するポスト
教会の敷地内や公園、町中で、不要品を寄付するポストを見掛けることがある。右下の写真は教会のそばの衣類専用のポスト。着なくなった服を捨てずにこのポストに入れることで、必要な人の手に渡る仕組みだ。

●ゴミ袋
生ゴミなどを入れるゴミ袋には、スーパーなどで買い物をした際のビニール袋(レジ袋)を利用するのが便利。日本のように、「生ゴミ用」「燃えないゴミ用」など専用のゴミ袋を購入する必要はない。もっとも、あまり購入する人は見掛けないものの、ちゃんとゴミ袋はスーパー・マーケットなどで売っている。ロールタイプで切り取って使うもの、紫はラベンダー、黄色はレモンという具合に香り付きの物など、ユニークなゴミ袋を販売している。
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