【コラム】 シドニーのコーヒー文化

【コラム】 シドニーのコーヒー文化

シドニーカフェ事情

オーストラリア全土には6,701店舗のカフェがあります(2015年4月現在)。
働いている人数は、8万6,423人。
収益は40億豪ドル。
年間成長率は3.2パーセント(2010年〜2015年)となっています。

オーストラリアのカフェ経営の特徴は、何と言っても家族や個人で経営する独立系カフェが圧倒的に多いことです。
6,701店舗のうち95パーセントが独立系カフェです。
一方、大手カフェ・チェーンもあります。
主なチェーンは「Gloria Jean’s Coffees」(グロリア・ジーンズ)、「The Coffee Club」(ザ・コーヒー・クラブ)、「Michel’sPatisserie」(ミッシェルズ・パティスリー)などです。

オーストラリアのコーヒーは、イタリアン・スタイルがベース

オーストラリアのコーヒーは、イタリアン・スタイルの「Espresso」(エスプレッソ)をベースに、これとミルクなどとの組み合わせでさまざまな種類が提供されます。
カフェによって少しレシピが違ったりする場合もありますが、コーヒーには基本的に下図のように8種類ほどあります。

世代や住んでいる場所によってもコーヒーの味の好みが分かれるようで、カフェ・ラテは一般的に女性、フラット・ホワイトは年配者、エスプレッソはシドニー中心部の若い男性、カプチーノは、シドニー郊外の人に好まれているそうです。

コーヒー一杯の金額はおおよそ3〜5ドル程度。
いわゆるコーヒー・カップに淹れられたコーヒーに加えて、デュラレックス・グラス(Duralex glass)と呼ばれるグラスに注がれたコーヒーも多く見かけます。

早朝からコーヒーが楽しめるシドニー

「シドニーの朝はカフェから始まる」などと形容されているだけあり、多くのカフェが、早朝、朝6時頃からオープンしています。近郊の駅周辺でも、早い時間から多くの客でにぎわっているカフェも少なくありません。
通勤や通学の電車に乗る前にコーヒーを買い、電車の中でコーヒーを飲むというのが習慣になっている人もいるようです。
シドニー中心部にあるビジネス街のカフェでは、やはり仕事の前にコーヒーをテイクアウェイしたり、テラス席で飲んだりしている人の姿が見られます。
ただし営業開始が早い分、夕方には閉店する店も多いです。
中には午前中で閉まってしまう店もあります。

このように生活に密着しているコーヒーの年間消費量は、近年急速に増加し、50年前には1人当たり1.2キロだったのが、2011年の調査では1人当たり4.9キロに増えました。

自宅でコーヒーを楽しむ人も多く、スーパーマーケットでもエスプレッソマシンが売られています。
しかし、オーストラリア人の80パーセントは、自宅ではインスタント・コーヒーを飲んでいるという話もあります。

コーヒー文化の多様化

ここ最近のシドニーのカフェ市場だが、やはり“サード・ウェーブ・コーヒー(コーヒー業界第3の波)”に注目が集まり、話題の中心になっています。
サード・ウェーブ・コーヒーの特徴は3点あり、1つ目は、“シングル・オリジン”と呼ばれる単一の豆を使用していること、2つ目は、豆に適切な焙煎方法を施していること、3つ目は、バリスタの手によってコーヒーが淹れられていること、です。

また近年、シドニーのカフェでは、前述したイタリアン・スタイルのエスプレッソに加え、深めに煎った豆を使ってフランス式のフィルターで抽出しコンデスミルクを入れて飲む甘いベトナム・コーヒーや、イブリックまたはジャズベと呼ばれる真鍮や銅製などの小さなひしゃく型の抽出器具で淹れるトルコ・コーヒーなど、“移民の国”ならではのサード・ウェーブ・コーヒーを提供するカフェが増え、多様化しているのも特徴です。