シドニー新生活<楽しむ>

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 映画館、劇場、美術館、博物館、スポーツ競技場……。シドニーの街にはエンターテインメントの拠点がいっぱい。規模が大きいだけでなく、飲食施設併設などすてきな時間が過ごせる工夫も満載だ。

情報収集とチケット入手

 オーストラリアというと、雄大な自然や美しく広がるビーチなどのイメージが先行しがちだが、国内の主要劇場で行われているオペラやバレエ、クラシック・コンサートは高い水準で国際的に認められ、アートに関連したフェスティバルやイベントも多数開催されている。
●情報収集の仕方
 最新の情報を収集するには、シドニーの地元日刊紙、「The Sydney Morning Herald」(Web: www.smh.com.au)や「The Daily Telegraph」(Web: www.dailytelegraph.com.au)のエンターテインメント欄が便利。また、イベント情報などを入手するには街角で見掛ける観光案内所を利用するのも良い。目的に応じてお薦めのものを教えてくれる。更に「What’s On」(Web: whatson.cityofsydney.nsw.gov.au)や「日豪プレス」(Web:nichigopress.jp)などの無料情報紙からも多くの情報が入手できる。
●チケットの入手の仕方
 イベントやコンサートのチケットは、多くの場合が劇場などのサイトで購入できるようになってきているが、「BoxOffice」と呼ばれる劇場の窓口に電話で予約したり、直接出向いて購入することもできる。また、「Ticketek」(Web:premier.ticketek.com.au)や「Ticketmaster」(Web:www.ticketmaster.com.au)などのチケット・エージェンシーのサイトで購入するといった方法もある。
 日本語でいうダフ屋をScalpersと言うが、コンサート・チケットなどの「Terms and Conditions」欄に「not for resale」と印字されている場合、Scalpersがチケットを売ることは違法だ。また個人間売買も違法なので、新聞などのクラシファイド欄で「チケット売ります」などの個人広告欄からの購入には注意したい。また、「not for resale」と印字されていなくても、転売に関する規約を別途規定している場合がある。
 ちなみに、Ticketmaster のウェブサイトには、「Resale」のコーナーがある。ここでは既に売り切れたチケットが合法的に再販売されている。

カルチャー&アート

●オペラ、バレエ、ダンス、演劇
 オーストラリアを代表するオペラ「Opera Australia」(Web: opera.org.au)は、オペラ・ハウス内のオペラ・シアターで公演を行っている。クラシック・バレエの「The Australian Ballet」(web: www.australianballet.com.au)は、ニューヨークやロンドン、パリなど世界中で高い評価を得ているバレエ団だ。モダン・バレエなら「Sydney Dance Company」(Web: www.sydneydancecompany.com)が有名。「Aboriginal and Torres Strait Islander Dance Theatre」(Web: descendance.com.au)では、先住民族であるアボリジニーの伝統的なダンスに現代ダンスを組み合わせた、斬新でエネルギッシュなステージを楽しめる。
 舞台演劇を楽しみたいのならば、「Sydney Theater Company」(Web: www.sydneytheatre.com.au)やシェイクスピアを現代風にアレンジした「Bell Shakespeare」(Web: www.bellshakespeare.com.au)などがある。

●博物館、美術館
 多数の博物館や美術館が点在し、多岐にわたる文化や芸術を紹介している。国立や州立の施設では特別展以外は無料という場合もある。
 現在活躍中の若いアーティストや新進気鋭のアーティストたちの作品に触れられるギャラリーを訪れるのもお薦め。シドニーでギャラリーが多くある地域はパディントン・エリアだ。

●ストリート・パフォーマンス
 マーケットやモール、公園、映画館の前など、さまざまな場所で大道芸人たちのパフォーマンスや音楽などの演奏が行われている。シドニー・フェスティバルなどの期間中は、市内各所で無料コンサートやパフォーマンスが開催される。

●オーストラリアの音楽
 先住民族アボリジニー・サウンドは、ディジュリドゥーと呼ばれる世界最古の木管楽器を使ったオーストラリア独自の音楽。地の底から響きわたるような音と独特のリズムは、一部のアーティストたちに昔から大きな影響を与えてきた。坂本龍一も自身のアルバムに取り入れている。
 忘れてはならないのがカントリー音楽。カントリー音楽というとアメリカが本場という印象があるが、故スリム・ダスティなどを始めとし、優れたカントリー・ミュージシャンを輩出している。

●オーストラリアの映画
 オーストラリア映画の歴史は古い。1900年代後半から1910年代前半にかけて世界で一番多く劇場用映画を制作していたという。その後一時期衰退していたが、60年代後半から政府が芸術や映画振興に力を入れ始め、国際的に再び注目されるようになった。教育にも力を入れており、シドニーにあるオーストラリア国立演劇学院(The National Institute of Dramatic Art)からは優れた役者が多く巣立っている。90年代には、『ダンシング・ヒーロー』『ミュルエルの結婚』『プリシラ』『ピアノ・レッスン』『シャイン』といったヒット映画作品を生み出した。
 また最近では、他国の映像制作スタッフが映画撮影のため来豪するケースも増えており、シドニーでは街中でロケ・シーンを見掛けることが多い。98年に「Fox Studios Australia」がシドニーに完成してからは、大型ハリウッド映画も制作されるようになっている。

●オーストラリアの文学
 文学作品に最初に触れるには、オーストラリアの代表的な短編文学作品を集めた『Best Australian Short Stories』がお薦めだ。
 オーストラリアで最も有名な近代・現代文学作家の1人は、73年にノーベル文学賞を受賞したパトリック・ホワイトだろう。彼の、オーストラリアの探検家を描いた『Voss』は名作。
 児童文学や絵本の分野では、ガムナッツ・ツリーやオーストラリアの植物が主人公の『Snugglepot & Cuddlepie』(May Gibbs作・絵)や『Blinkly Bill』(ドロシー・ウォール作・絵)などが有名。童話シリーズには『Australian Children’s Classics Set』がある。こちらもオーストラリアならではの動物や植物を主人公にしたシリーズだ。

◆シドニーで劇場体験

State Theatre内部、Photo: Satoko Clarke

State Theatre内部、Photo:
Satoko Clarke

 1929年に建設された由緒ある歴史的な劇場「State Theatre」(Web: www.statetheatre.com.au)は、一度は訪れてみたい場所。ハンドメイドのクリスタルで作られたシャンデリアやアールデコ建築を配した重厚感ある建築装飾など、その豪華さに贅沢な気分に浸れること間違いなし。更に、大劇場も良いが、役者を間近に観られ、かつ演目それぞれに個性がある小劇場も、また違った楽しさを味わえる。開演時間は、夜の部は午後8時ごろからなど比較的遅めの設定のものも。観劇の際の服装は特に決まりはない。しかし、話題のミュージカルやオペラ鑑賞にはドレス・アップしてくる人も多い。

スポーツ観戦

 オーストラリア人はスポーツ好き。世界的なスポーツ大会も多く開かれる。スポーツ観戦はオージーの一大イベントだ。冬場はフットボール系、夏場はクリケット、テニス、ゴルフ、モーター・スポーツなどが人気だ。

●フットボールを観戦
 オーストラリアでは、フットボールは、オーストラリアン・フットボール、ラグビー・リーグ、ラグビー・ユニオン、サッカーの、4種類に分けられる。中でも最も人気なのがオーストラリアン・フットボール。オーストラリア最大のスポーツ・イベントである決勝戦のグランド・ファイナルには毎年9万人以上の観衆が集まる。ちなみにオーストラリアン・フットボールは、フッティー(Footy)、オージー・ルールズ(Aussie Rules)、日本ではオージー・ボールとも呼ばれる。

●クリケット
 野球に似ているようで全く違う、イギリス伝統の人気スポーツ。1試合になんと5日間を要することもある。

●競馬

Royal Randwickでの競馬観戦の様子

Royal Randwickでの競馬観戦の様子

 競馬観戦も人気。ギャンブルというよりも、レジャーや社交の意味合いが強い。NSW州で最大の競馬場は、ランドウィックにある「Royal Randwick」。建物の中には、パブやレストランなどが併設されている。飲み物や軽食を持参して芝生の上で観戦しながら楽しむのも良い。

図書館

 各地域ごとに図書館があり、本やDVD、CDなどの貸し出しの他、著者を招いての講演会などのイベント開催、英会話教室やカルチャー教室などの教育活動などを行っている。チャッツウッド・ライブラリーのように日本語書籍もある図書館や、ギャラリー・スペースのあるNSW州立図書館など、用途に応じて活用しよう。